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社寺巡り 京都・2013年 春期特別公開 「御香宮神社」(ごこうのみやじんじゃ)
5/4(土)。 京都市・伏見区は「御香宮神社」(ごこうのみやじんじゃ)へ
行って参りました。
→ 社寺巡り京都・2013年春期特別公開「大興寺」(だいこうじ) 2013/05/14
に続きまして、
春期・「特別拝観」の第二弾になります。 (^^)
というワケで本日は、京阪電車・「伏見桃山駅」を下車。
まずは所在地図に従って、大手筋通を東の方向へ、 ススメ、ススメ。 ~(゚д゚)ノ
徒歩5分ほどで、大きな朱塗りの鳥居が見えてきます。
何だかんだ言っても、やはり駅近社寺は便利ですね~。 (^^;)
そしてじきに到着し、そのまま表門を1枚、パチリ♪
ちなみにこちらの表門、元和8年(1622)に徳川頼房(水戸黄門の父)が、
伏見城の大手門を拝領して寄進したもので、国の重文に指定されているそうな。
いきなり歴史ある遺構に迎えられて、少々驚き。
さて、とりあえずはお邪魔しましょう。 門前で一礼して潜入~。 ( ̄人 ̄)
真っ直ぐに延びた参道を進んでいきます。
創建年は不詳。 日本第一安産守護之大神として広く崇められている
神功皇后(じんぐうこうごう)を主祭神として、仲哀天皇・応神天皇他、
六柱の神を祭る。
(以下御由緒、公式サイトより抜粋。)
すぐ右手には、「桃山天満宮」が鎮座されていたので、まずはお参りを。 ( ̄人 ̄)
初めは「御諸神社」(みもろじんじゃ)と称したが、約1150年前の平安時代・
貞観四年(862)九月九日に、この境内から香の良い水が涌き出たので、
清和天皇よりその奇端によって、「御香宮」の名を賜った。
なるほど、このエピソードが現在の社名に通じているんですね。
ちなみにその香りの良い水、現在も「御香水」(ごこうすい)として
境内に湧き出ているそうなので、あとで頂いてみましょう。 (^^)
鮮やかな赤紫色のツツジをフレームに入れて、参集館もパチリ♪
豊臣秀吉は天正十八年(1590)、願文と太刀(重要文化財)を献じて
その成功を祈り、やがて伏見築城に際して、城内に鬼門除けの神として勧請し、
社領三百石を献じた。
参道途中に手水舎があったので、お清めさせて頂きます。
でもこちらは「御香水」ではないようなので、飲むのはご辞退を。 (^^;)
その後徳川家康は慶長十年(1605)、元の地に本殿を造営し、社領
三百石を献じた。
慶応四年(1868)正月、伏見鳥羽の戦には伏見奉行所に幕軍が據り、当社は
官軍(薩摩藩)の屯所となったが、幸いにして戦火は免れた。
今は広くてこの静かな境内も、
過去の激動の時代を経て、現在に至るんですね・・・。
さて、それではいよいよ、御本殿へ。
元々「伏見の名水」として有名なお社。
そこに「特別拝観」が重なって、けっこうな人出です。
おや、ちょうど御本殿前で、御祈祷が行われるようです。
祝詞(のりと)の奏上(そうじょう)が始まったので、
ワタクシもそのタイミングに合わせて、お参りさせて頂きましょう。
御祭神
・神功皇后(じんぐうこうごう)
・仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)
・応神天皇(おうじんてんのう)
他、六神を祀る。
お賽銭をすべり込ませ、鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼。
特別公開でもいつもと変わらず、手順正しくお参りを・・・。 ( ̄人 ̄)
お参りのあと、フト御本殿の左手を見ると、「御香水」の銘が目に入って
きました。
さっそく頂こうと思いましたが、説明書きをよく見ると、こちらは濾過されていないので、
飲めないとの事。 ?(゚д゚)?
そのまたすぐ左どなりを見ると、今度は濾過機を通されたという御香水が。 (゚д゚;)
う~ん、環境省選定・「名水百選」にも選ばれたという御香水に、いったい
何があったんでしょうか。 (^^;)
でもでも、霊験あらたかなお水である事に、変わりはありません。
一口含むと、とてもまろやかな口当たり。
お参り道中からの乾いた喉に、染み渡ります・・・。 ( ̄人 ̄)
お次は、摂・末社にもお参りして行きましょう。 (^^)
「稲荷社」・「弁天社」・「松尾社」・「東照宮」と順に巡って行きますが・・・、
御本殿で行われている、特別公開のご説明が聞こえてきて、
気になって仕方ありません。 (^^;)
続いて、「六社」・「太神宮」・「豊国社」と、
心を鎮めながら、お参りを。 ( ̄人 ̄;)
そして、全ての摂・末社でお参りを済ませた後、待ちきれない気持ちから、
小走り気味に特別公開受付へ。 (^^;)
受付で、拝観料800円をお納めし、今回初公開の回廊内へ向かいますが、
なんとこの会場内、全面撮影OKとの事。 (゚д゚)
この特別拝観シリーズは、撮影禁止の場合がほとんどなので、これは珍しいかも。
ちょうどご説明が始まった所のようなので、ワタクシもササッと参加して拝聴を。
さてこちらの御本殿、全体の造りとしては、大型の五間社流造(ごけんしゃ
ながれづくり)。
なるほど、こうして御本殿の背面を拝見すると赤い柱が6本、そのあいだが
五間(ごけん)ある事から、こう呼ばれているんですね。
その五間の面には連なるように、寒梅と芽柳が描かれています。
植物としては季節感が合わない組み合わせに感じますが・・・、
柳は慶長年間において、大変縁起の良い象徴として、好んで描かれたから
なんですね。
またシルクロードなどの砂漠地帯にも生育する事から、生命力や繁栄の
象徴ともされるそうな。
こちらを造営された徳川家康公、自身の躍進・繁栄をこの柳に託して描かれたとも
伝わるエピソードは、また奥ゆかしい・・・。 ( ̄人 ̄)
お屋根の下は、これまた細かい装飾が施されていますね~。
中央の青い台形の装飾、蛙股(かえるまた)の中には、厄除けの意味が
込められた猿が彫られています。
猿は古来より、人間には見えないものが見えると言い伝えられる事から、
昔の医者は診療に出かける際に、猿を連れて行くことがあったそうな。
それにしても、お社のどこを拝見しても豪華絢爛な造り。
細部の装飾、鮮やかな極彩色、どれを取って見ても桃山時代の気風が
感じられる社殿建築です。
御本殿の両側面も拝見を。
手前の杉戸には、柏の木に留まっている鷹の絵が描かれていますね。
その奥の壁面にはキリンも描かれていますよ。
と言っても、首の長い方のキリンではなく、キリンビールのラベルで有名な
伝説上の霊獣、麒麟なんですね。 (^^;)
ちなみにこの麒麟、一体で「麒麟」だと思っていたのですが・・・、
雌雄(しゆう)合わせて「麒麟」と呼ばれる説もあるんだそうな。
そういった事からこちら御香宮神社では、黄色がオスの「麒」(き)、
そして緑色のほうがメスの「麟」(りん)として描かれているんだとか。
う~ん、これは知らなかった。 (^^;)
忘れないように、麒くんと麟ちゃんで覚えておきましょう。 (^^;)
南側に回って、参拝している人たちもパチリ♪ (^^;)
おや、そういえば眼下に見える場所は、ワタクシもお参りした御本殿の
真正面ではありませんか。
神様方々は、いつもこの辺りから、お参りに来た参拝者たちを見守って
おられるのでしょう・・・。
いずれにしてもここは通常、一般人が絶対に立ち入る事の出来ない領域。
こんな神聖な場所に通して頂き、しかも詳しいご説明付きとは、
この特別公開シリーズ、何だかいつも以上に感動を覚えたり。 (^^;)
御本殿の回廊で、またしつこく長居したので、最後に庭園を拝見。 (^^;)
さてこちらのお庭、今から350年ほど前、伏見奉行であった小堀遠州(こぼり
えんしゅう)が、奉行所内に作庭したものを元にして、戦後に移築されたんですね。
おお~、なんだかしっとりと綺麗に撮れて、ご満悦。 (*^^*)
いや、あまりにお庭が綺麗なので、写真がうまくなったのかと
勘違いしてしまいそう。 (^^;)
でもホント、遠州ゆかりの枯山水(かれさんすい)。
風雅・雄大なお庭に、しばし見入ってしまいます。
そのお庭の中でも特筆すべきは、こちらの手水鉢(ちょうずばち)。
元々は、漢方薬を作るときに使われたものながら、「文明九年」という
銘が刻まれているのが興味深い。
この年は1477年、約10年間にも渡って続いた応仁の乱が終わった年なんですね。
この様な銘が刻まれた見事な手水鉢は大変珍しく、日本で10番目に古いもの
といわれるそうな。 スゴイ。
奥の間にもお邪魔して、静かにお庭を鑑賞。
今までお寺のお庭は幾つも拝見してきましたが、
そういえば神社のお庭をこうしてじっくりと拝見する機会は、今までなかったような。
仏教寺院とはまた違った趣の中、心静かに眺めていると、
なんだかまぶたが重くなってきて・・・ 。 (ーー)
あまりにリラックスして、寝そうになってしまいました。 (^^;)
こちら社務所で御朱印を頂いて、そろそろおいとましましょう。 (^^;)
伏見桃山・「御香宮」と書いて頂けました。
ありがとうございます。 (^^)
さてさて、そんなこんなで、京都・2013年春期・特別公開 は第二弾、
「御香宮神社」 (ごこうのみやじんじゃ)。
今回初公開の神社で、普段は拝見出来ない御本殿周りの貴重な文化財を、
間近に、存分に堪能させて頂きました。 ( ̄人 ̄)
遠州ゆかりのお庭も存分に拝見できて、大満足。
お参りに、歴史探訪、そして文化財拝観と、社寺めぐりはまだまだ
やめられませんね~。 (^^)
心満たされながらも、ここでフト思い出したこと。
この特別公開シリーズ、今回は最後にもう1ヵ所巡っていました。 (^^;)
こちらも時期外れにならない内に、更新せねば・・・。 (´д`)
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